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吉野翼企画「盲人書簡R 」観劇


吉野翼企画は、私が一番舞台を頑張っているときに一番お世話になった。

このリオフェスも2〜6作品まで連続出演している。

私の舞台人生での青春ともいえる団体、プログラムです。


第6作品目の「糸地獄」の年は、本番直前で実父が亡くなり稽古を休むなど、迷惑をかけました。

その後にも色々な巡り合わせが悪くなり、個人的な事情でその後の出演は出来なくなりました。

けれども共演者はもちろん、会ったことのない新しいメンバー、出演者はなんだか兄弟のような感覚を覚えます。


今回の新メンバーの中には別の団体で共演した繋がりの深い方も多数参加されていてとても嬉しく思っています。

そして、皆さんそれぞれ素晴らしい演技でした!


吉野翼氏の演出力は、年々凄みを増していくように思います。

6回目までは自分が出演して外側から見ることができないので分かりませんが、舞台上の出演者が考えている以上に外側からの見栄え、トータルの見え方、観客に与える印象と感情を作り込んでいるように思います。

それが年々洗練され、見やすくなっているように思います。

若い時は観客への分かりやすさは最低限、二の次みたいなところがありましたから・・・(笑)。


自分も数年前まで(というか去年までw)「分かりやすさ」に迎合してはいけないような気がしていました。

少しでも目新しく刺激的なものを提示しなきゃとか。

・・・一緒にしたら怒られるかもしれません^^;


今は、それは一種の自己顕示欲だったなあと思います。

なによりお客さんが楽しむために必要なことは全部やらなきゃいけない。

必要な「説明」ならば取り入れなければ。

「説明」がつまらないならそれと気付かれずに表現に取り入れなければ。


今回の「盲人書簡R」では、寺山修司脚本ですから、理解が追いつかずにこめかみが痛み出して「ああ〜もうわけがわからない!やめてくれ!」と叫び出しそうになるまさにその瞬間に「説明」ともつかない表現が織り込まれてとりあえずの納得を得られ・・・。

(あのまま混乱させられていたらペットボトルを投げつけていたかもしれません(笑)。

最近歳をとったせいか、脳がおかしい。)


エンディングでは思わず感動したりして、、、

なんだかうまいこと手のひらの上で転がされました。


役者さんみんな熱量が良かった。

寺山修司の詩的な台詞が、その人物を通して肉のある言葉として聞こえてきました。

私にはできなかった。わからなかったのに解ろうとしてできなかったなあ。

その人物が、素直にその言葉を口にすればこう見えるんだなあ、と、目から鱗でした。


見終わって、関わったすべての人に百万回のお疲れ様を言いたい気持ちです。

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